この記事では、1階微分方程式の解を数値的に求める方法を紹介してきます。
今回は微分方程式の解析解を求めて、次回以降に解を数値的に求める方法を紹介する予定です。
目次
ニュートンの冷却の法則
コップに入れられた熱いコーヒーが周囲の温度(空気)によって冷まされる問題を考えます。
本来、熱いコーヒーから周囲の空気に流れる熱流の性質は複雑です。例えば、対流や放射、蒸発、熱電などの機構が働いています。
ただし、コーヒーと周囲の温度差があまり大きくないときには、温度の変化の割合は、その温度差に比例します。これは「ニュートンの冷却の法則」と呼ばれていますが、あくまで近似的に成り立つ式です。
微分方程式の解析解
ここでは微分方程式の解析解を求めてみます。
ニュートンの冷却の法則を表す微分方程式は
で表されます。ここで、各文字は
T:湯の温度
:周囲の温度
:冷却定数
を表しています。この微分法方程式は解析的に解くことができます。まず、(1)式の両辺をで割ります。
両辺を積分して積分定数をCとすると、
となります。この式をTについて解くと下式のようになります。
初期条件を課すと、積分定数Cは
となります。これを(2)式に代入すれば、解析解は以下で与えられます。
次回は、微分方程式の数値解を求めるアルゴリズムを紹介します!
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